コラム
COLUMN
2019.02.16 動物の病気
内科学アカデミー レポート① 猫の心臓病について
本日から3日間、横浜で開催されている内科学アカデミーという学会に参加しています。
よどえ動物病院オープンまで残り短い期間となりましたが、最新の獣医療を少しでも多く学ぶことで、地域の動物たちの健康維持に貢献できたら嬉しいです。
さて、今回は今日の学会の内容の中で特に飼い主様に知っておいて欲しい内容がありましたので、それを記事として書いていきます。
猫の心臓病について
猫の心臓病で最も多いものとして、「肥大型心筋症」という病気があります。
これは心臓の筋肉が病的に肥大してしまい、心臓の動きが悪くなってしまう病気です。
詳しい内容はまた個別の記事に書いていこうと思いますが、
この病気で特に重要なことは、症状が全く出ないケースがとても多いということです。
今回の学会では以下のような研究データが発表されました。
・「肥大型心筋症」の猫の約77%が無症状であった
・6ヶ月以上の見た目が健康な猫の約15%が検査の結果「肥大型心筋症」であった
・「肥大型心筋症」の猫の約18%が聴診で心雑音が認められなかった
つまり、健康そうに見える猫や、動物病院で心雑音が無いと言われた猫であっても、「肥大型心筋症」が隠れていることが意外と多いということです。
「肥大型心筋症」の検査には、超音波エコー検査で心臓の動きや筋肉の大きさを確認したり、血液検査で心臓バイオマーカーを測定することで診断をつけていきます。
猫に多い「肥大型心筋症」はたとえ無症状であっても、適切な処置がされないまま放置してしまうと突然死を招いてしまう危険がある重篤な病気です。
重篤な症状が出る前に見つけてあげるためにも、定期的な健康診断の受診を心がけましょう。