コラム
COLUMN
2019.04.25 Cat Friendly 看護師コラム
【動物看護師執筆】猫コラム② 猫が食べてはいけないもの
猫ちゃんが食べると危険なものを紹介します。
私たちにとって身近なものがたくさんですので、気を付けましょう。
玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにく
ネギ類を食べてしまうと、アリルプロピルジスルフィドという物質が、赤血球を壊してしまいます。
症状:貧血・食欲不振・呼吸困難・血尿・嘔吐など
ネギ類の毒性は、加熱しても無くなることはないので、具材として使われている料理も与えないでくださいね。
生のイカ、タコ、エビ
生のイカ、タコ、エビに含まれるチアミナーゼという酵素が、ビタミンB1を分解してしまいます。
症状:食欲低下や嘔吐、ふらつきなど
チアミナーゼは熱に弱いので、十分に加熱すれば与えることも可能ですが、イカやタコなどは消化が良くない食材ですので、あまりおすすめはできません。
アワビ、サザエの肝
フェオホルバイドという成分が、強い光に反応して炎症を起こします。
特に毛が薄く、日光にさらされやすい猫の耳は症状が出やすく、光線過敏症になり壊死してしまうこともあります。
チョコレート、カフェイン入り飲料
チョコレートの原料であるカカオに含まれる、テオブロミンやカフェインという成分が中毒を起こします。
症状:過度の興奮、失禁、嘔吐、下痢、動悸、呼吸の促進、不整脈、ふらつき、ひきつけなど
重度の場合には、全身にけいれんが起きて、死に至ることもあります。
アボカド
ペルシンという成分により、中毒症状を引き起こします。
ペルシンは果実よりも種・葉・茎に多く含まれます。
症状:嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難
青魚(サバ、イワシ、アジなど)、マグロ
青魚やマグロなどを大量に食べ続けると、不飽和脂肪酸が酸化し脂肪が黄色くなる黄色脂肪症になります。
症状:おなかや胸などの痛み、しこり
重症化すると歩行困難になることもあるので注意しましょう。
アルコール
猫の肝臓はアルコールを分解できないため、一度体内にアルコールが入ると長くとどまり悪影響を及ぼします。
症状:嘔吐、下痢、ふるえ、意識障害、昏睡状態、血圧低下、けいれん、呼吸障害など
ユリ科の植物
ユリ科の植物を口にする、ユリ中毒はとても危険で時には死に至る恐ろしい中毒です。
ユリの毒性は花びらだけでなく、茎、葉、花粉のすべてに含まれ、ユリを飾っていた花瓶の水さえも中毒成分が含まれます。
ユリを少しでも口にすると、ユリ中毒を起こし、ユリに含まれる毒性分が猫の腎臓の細胞を破壊して、急性腎不全を引き起こします。
症状:おしっこが出なくなる、嘔吐、下痢、脱水、けいれんなど
ユリ中毒で腎臓を破壊してしまい肝臓が機能しなくなると、急性腎不全に陥り1週間で死に至ることもあります。
猫を飼っている方はユリを家に持ち込まないようにしましょう。
生の豚肉
トキソプラズマという寄生虫の感染源になることがあります。
症状:食欲不振、嘔吐、下痢、血便、発熱、呼吸困難など
トキソプラズマ寄生虫は動物から人間に移ることもあります。
猫にお肉を与えるときは必ず加熱しましょう。
基本的に、毎日の主食として<総合栄養食>のキャットフードを与えましょう。
総合栄養食とは、猫ちゃんにとって必要な栄養素がすべてバランスよく含まれていて、そのフードと水を与えるだけで、健康を維持できるというものです。
ついついあげたくなる人間の食べ物も、食べてはいけないものや、猫ちゃんにとっては塩分が濃すぎたりするものがあるので、十分に注意しましょう。