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2019.11.07 看護師コラム

【動物看護師執筆】犬コラム⑩ しあわせなシニア生活のために

ついこの間まで子犬だった愛犬がいつの間にか成長し、あっという間に私たちの年齢を越して、歳をとって、衰えていきます。

シニア(7歳ごろ)になると、少しずつ老いが進行していきます。それは、白い毛が増えた、目が白くなってきた(白内障)、筋肉が減って体が細くなってきた、といった体の変化や、
遊びに興味を示さなくなったり、神経質になったり、甘えん坊になったり、といった心の変化
ご飯を食べるのが下手になった、ヨタヨタ歩くようになった、寝ている時間が増えた、トイレを失敗する、などの行動の変化など。

人間と同様、老化によって体にも心にも、行動にも老いが見え始めます。飼い主としては、とっても心配になり、どうしたらいいものかと焦るかもしれません。でも、犬にとっては自然なこと。高齢になり、出来ないことが増えるのが当たり前なんです。いつか介護をする時が来るかもしれないと思って心の準備をしておくのはとても大切なことです。

犬における、介護とは愛犬が出来なくなったことを手助けすることです。いつもたくさんの癒しと愛情をくれる愛犬が、最期まで楽しく快適に過ごせるように介護の心の準備をしておきましょう。

ちょっと待って、それ病気のサインかも?

シニアを迎え、老いのサインが見えてきた・・・と思っても、実はそれが病気のサインだった、なんてことがあります。

例えば、
寝る時間が多くなった→体調が悪くて寝ることでエネルギーを節約しているのかもしれません。
散歩に行きたがらない、歩き方が遅くなったなど→関節痛があるのかもしれません。
毛づやが悪くなった、脱毛している→ホルモンの分泌異常の可能性があります。

こうした変化を老いのサインと決めつけてしまうと、せっかく病気の初期症状として合図を出してくれていたものを無視してしまい、治療の機会をなくしてしまうかもれません。動物は体の不調を言葉にして伝えることができません。日々の変化に気づき、不調を言葉にできない動物の代わりに、病気を疑うのも飼い主さんの義務です。

少しでも、おかしいな、大丈夫だろうかと思うことがあればまず獣医師に相談しましょう。

犬と認知症

人間同様に犬の高齢化が進み、認知症にかかる犬も少なくありません。

症状

・ご飯をしょっちゅう食べたがる

・生活が昼夜逆転する

・狭いところに入りたがり、入って身動きが取れなくなる

・同じところをぐるぐると回る

・飼い主の呼びかけに反応しなくなる

・夜鳴きをする

・学習したことを忘れてしまう

など、症状の出かたはわんちゃん個々の状況によりまちまちです。

今までと違う行動や変化が気になるようになります。早めに気づいてあげることで少しでも長くハッピーなシニア犬ライフが送れます。また、飼い主さんには認知症の症状に見えても実は病気のサインであることもあります。

気になることがあれば、早めに獣医師に相談しましょう。

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