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2019.09.26 看護師コラム
【動物看護師執筆】犬コラム⑦ お手入れの方法
今回のコラムでは、おうちでできるお手入れの方法をまとめています。
お手入れの方法
・ブラッシング
ブラシを使って毛並みを整えます。
血行を促進する、ノミやダニの発見、皮膚や被毛の健康チェックをすることもできます。
できれば毎日ブラッシングをしましょう。特に長毛種は、毛質にもよりますが、毛玉になりやすいので気を付けましょう。
わんちゃんの皮膚はデリケートなので、ブラシは強く当てすぎないこと。
毛並みに沿って毛をとかしましょう。
毛玉ができていた場合は無理に引っ張らずに、ブラシで少しずつ毛玉を取り除いてあげてください。
大きくなりすぎた毛玉の場合は無理をせずに、トリミングサロンや動物病院で取り除いてもらうのがいいでしょう。
・シャンプー
必ず犬用のシャンプーを使用して下さい。
犬の皮膚はとてもデリケートであり、人間用のシャンプーは犬にとって刺激が強いためです。
月に1回程度、シャンプーをしましょう。
シャンプーのしすぎは、必要な皮脂を落としてしまい、むしろ肌を傷つけてしまうことになります。
☆シャンプーの手順
シャンプーする前にブラッシングをする→体全体をお湯で濡らす→犬用シャンプーを泡立て、シャンプーで洗う→すすぎ(シャンプー剤が残らないように)→リンスをつける→よくすすぐ→タオルドライ→ドライヤーで乾かす
シャンプーをする前にブラッシングをすることで毛のもつれや毛玉を取り除き、
シャンプー剤が皮膚まで行き届き、全体を綺麗に洗うことが出来ます。
皮膚にシャンプーやリンスが残っているとかゆみや皮膚病の原因になることもあるので、
しっかりとすすぎましょう。
また、ドライヤーを使わずに自然乾燥させるのはNGです。
皮膚病の原因になったり、毛質が悪くなったり、体温が低下して体調が悪くなってしまうこともあります。
しっかりとドライヤーを使って乾かしてあげましょう。
・肛門腺絞り
肛門腺とは、肛門の周りにある臭腺です。
肛門を時計に見立てて、4時と8時のところのふたつ、肛門嚢(こうもんのう)と呼ばれる分泌液が溜まる袋があります。
分泌液の量や色は、多かったり少なかったり、茶色だったり黄色だったり、犬によって違います。
元々狩りをしていた時代に自分のテリトリーを主張するために発達した器官です。
しかし、犬が人と暮らすようになってからは生きていくためにマーキングする機会が減り、分泌物を押し出す「肛門括約筋」と呼ばれる筋肉が弱ってきているといわれています。
そのため、人間によって肛門腺を絞る必要があるのです。
☆肛門腺絞りの手順
犬を立たせた体勢でしっぽを持ち上げる→肛門の4時と8時の位置に親指と人差し指を押し当てる→そのまま押し上げるようにして絞る
分泌液はとても臭いので、シャンプー前に絞ることをおすすめします。
2週間~1カ月に一度絞りましょう。
・爪切り
白い爪の子と黒い爪の子がいます。
白い爪は、うっすらピンク色の血管が見えます。
その手前まで爪切りで切りましょう。
黒い爪の子は血管が見えないので、少しずつ切ってあげましょう。
中に鉛筆の芯のようなもの(血管です)が出てくるので、そこで切るのを止めましょう。
やすりをかけて少しずつ削るのも良い方法です。
爪切りが嫌いな子を一人で爪切りしようとすると大変なので、
一人が犬を抱え、一人が爪を切る、というように二人がかりで爪を切るのをおすすめします。
あまりにも暴れる場合は、動物病院やトリミングサロンにおまかせしましょう。
お手入れは、小さいうちから慣れさせるのがベストです。
成犬になってから始める場合は、一度に色々やろうとせずに、
短い時間から始めましょう。
おやつなどご褒美を与えながらステップアップしていくのがいいでしょう。
おうちでできるお手入れの方法を簡単にまとめてみました。
もっと詳しく知りたい、気になることがある、という方は
お気軽にご相談ください。
※当院では、トリミング(全体カット)は受け付けておりませんが、爪切り・足裏カット・目、耳のケア、肛門腺絞りなどは受け付けております。
高齢によりトリミングサロンでお断りされたわんちゃんの、簡単なカットやシャンプーなどお手入れの受付をしておりますので、
ご希望の方はまず診察にお越しください。
健康状態のチェックと、飼い主さんとの相談のもと、ご予約をすすめさせていただきます。