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2019.10.25 看護師コラム

【動物看護師執筆】犬コラム⑨ 犬の血液型

人間と同様、犬も血液型が存在します。

人間とも猫とも異なる血液型の分類の仕方で、複雑です。

犬の血液型はDEA式

人間はA型、B型、O型、AB型というように分類されますが犬はDEA式という分類方法になります。

DEAとは、犬赤血球抗原(Dog Erythrocyte Antigens)の略で、全部で8種類あります。

それぞれが+なのか-なのか、抗原を持っているか持っていないかで血液型が決まります。

例 ) DEA1.1(+)or(-)、DEA1.2(+)or(-)、DEA3(+)or(-)、DEA4(+)or(-).......

このように、犬の血液型は人間のものとは異なり、種類も多く、複雑であることが分ります。

血液型と性格って関係あるの?

人間ではよく、血液型で性格が分かれる、といった話を耳にしますが、犬の場合、血液型と性格は関係がありません。

犬の性格は、環境や犬種、しつけなどが影響します。

血液型と輸血

犬に輸血処置を施すときは事前に血液型をチェックしておく必要があります。異なる血液型を輸血してしまうと、体内で副反応を示してしまい、命の危険にさらされてしまうからです。

輸血をする際はDEA1.1と呼ばれる抗原が(+)か(-)かが重要です。この抗原が輸血時の急性溶血反応という副反応に関連しているためです。具体的にはショック、DIC(播種性血管内凝固症候群)、急性腎不全など命に関わる重篤な症状を起こす可能性があります。輸血前は、交差適合試験(クロスマッチ)を行い、安全性を確認してから輸血を行います。

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