コラム
COLUMN
2023.12.18 看護師コラム
【動物看護師コラム】犬と猫のフードの違い
こんにちは。動物看護師の片山です。
急に寒くなってきましたね。私の最近のマイブームは夜の散歩です。愛犬と行くこともあれば、1人で行くこともあります!晴れている日は星がたくさん見えてとっても綺麗です🌠小さいときは景色に感動することがなかったですが、最近はきれいな景色を見ると心が癒されます😊
ところで、皆さんはなぜ犬用🐶と猫用🐱でフードが分かれているのかご存じですか?わんちゃんとねこちゃんの両方を飼っているお家では、同じフードをあげることができたら楽なのに…😖と一度は考えたことがあると思います。
そこで、今回は犬と猫のフードの違いを徹底解説していきたいと思います🕵
実は、皆さんがいつも何気なくあげているフードにはいろんな秘密が隠されているのです!
手作りのご飯を作っている飼主さんにもぜひ読んでいただきたいです!
今回のコラムで重要になってくるのは“犬と猫の必要な栄養素の割合”です。
栄養素には大きく3つの役割があります!それは “からだをつくる” “エネルギーになる” “体の調子を整える” といった役割です。
健康に過ごしていくうえではどの栄養素も重要ですが、今回のテーマ『犬と猫のフードの違い』において特に重要となる3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)は何だと思いますか?
答えは”タンパク質”です!
では、なぜ猫の方が10%も多くのタンパク質が必要になってくるのかご存じですか?
その理由は犬と猫では食性が異なるからです。犬は雑食🍃なのに対して、猫は完全肉食🥩です。
そのため、犬に比べて猫の方が多くのタンパク質が必要になってきます。
タンパク質は多数のアミノ酸が結合してできていますが、アミノ酸には体内で合成できるものとできないものの2種類に分けられます。
体内で合成できないアミノ酸は食べ物から適正量を摂取していく必要があります。
体内で合成できないアミノ酸は犬では10種類、猫は犬の10種類に加えて“タウリン”というアミノ酸が含まれます。
つまり、猫が犬用のドックフードを食べ続けてしまうとタウリンの摂取不足になってしまうのです。
タウリンが不足することで眼の障害、心臓の病気を引き起こすことがあるので手作り食の方は特に注意が必要です⚠
またタンパク質だけではなく、脂質の割合も猫の方が多いです。
タンパク質も脂質も摂取できるのは主に魚やお肉🐟🥩からなので、猫の食性が深く関係しているのが分かりますね。
さてここまでは、猫が犬用のフードを食べ続けるとどうなるかということを紹介してきました。
食性の違いから犬と猫では必要な栄養素が大きく違っているのが分かりますね。
「じゃあ犬が猫用のフードを食べるのは問題ないのでは?🤔」と思った方もいると思います。
確かに、猫用のフードを食べれば犬も必要な栄養素は摂取できていると思うかもしれません。
ですが、猫用のフードには多くのタンパク質が含まれています。
最初のグラフにもある通り猫と犬ではタンパク質の必要量が大きく異なります。そのため、犬が猫用のフードを長期間食べ続けてしまうとタンパク質を適正量よりも多く摂取してしまうことになります。
犬にとってタンパク質の過剰摂取は、肝臓や腎臓に大きな負担をかけてしまいます⚠
(※ささみやジャーキーばかり食べる生活も要注意です!)
タンパク質だけでなく、脂質の取りすぎにも注意が必要です。
わんちゃんは脂質の多い猫用のフードを食べて嘔吐下痢をしたり、膵炎になってしまうことがあります😵
このように、動物種が異なるだけでフードの内容も大きく変わってきます。
少量食べてしまった分には大きな問題にならないこともありますが、大量に食べてしまったり、長期間食べ続けてしまうと病気の原因になってしまいます。
健康を維持していくのに大切なのは必要な栄養素を適正量しっかり摂取することなので動物種にあったフードを選択するようにしましょう😊
手作り食の方も作るのはとても大変だとは思いますが、しっかり栄養が取れるように心がけていきましょう🍴
フードでお困りのことがあればいつでも気軽にスタッフにお声がけください♪