福井藤島どうぶつ病院 福井藤島どうぶつ病院

コラム

COLUMN

2020.01.09 動物の病気

【獣医師解説】犬のスキンケア〜保湿してますか?〜

犬にも保湿??

意外に思われる方も多いかもしれませんね。
1月は1年で最も湿度が低くなり、犬の皮膚も乾燥しやすい時期です。
(私も1日に何度もハンドクリームやリップクリームを塗っていますが追いつきません…)

当院では以前スキンケアセミナーと題し正しいシャンプーの仕方などをお伝えしましたが、今回は犬のスキンケアの中でも近年注目されている保湿についてお話しします。

犬の皮膚と保湿

犬の体は毛で守られているため、皮膚の厚さは人間の1/3ほどしかありません。
これは人間の赤ちゃんと同じくらいの厚さです。

そのため、実は犬の皮膚はとてもデリケートです。

犬は毎日シャンプーをするわけではありません。
そのためあまり乾燥が目立つことはないかもしれません。

しかし健康な皮膚の子でもシャンプー後には皮膚から水分が抜けやすい状態になっています。

またアトピーの犬はもともと皮膚のバリアが弱く、水分が抜けやすくなっていることがわかっています。

そのため健康な皮膚の子はシャンプー後に、
皮膚の弱い子やアトピーの子はなるべく頻繁に(毎日でも)
保湿をしてあげるとよいでしょう。

アトピーの好発犬種である柴犬、シーズー、フレンチブルドッグ、ウェストハイランド・ホワイトテリアなどは特に子犬のうちからしっかり保湿する習慣をつけておくことをおすすめします。

治療としての保湿

これまで、皮膚の細菌感染である膿皮症やマラセチアによるマラセチア性皮膚炎などの治療は投薬と薬用シャンプーによる薬浴がメインでした。

しかしこれらの皮膚炎を繰り返す場合はアトピーなどの基礎疾患があることが多く、近年ではその管理のために日々のスキンケアに重点が置かれるようになってきました。

特に保湿は皮膚炎にならない強い皮膚を作るためにかかせないものです。

どんな保湿剤を選べばいいの?

ではどのような保湿剤を使うとよいのでしょうか。

答えは「その子に合っていれば何でもOK」です。

しかし犬のシャンプーなどの製品は雑貨扱いになるため、あまり成分が表記されていないことが多いです。
できれば成分がある程度明記されているものの方が安心でしょう。

特にセラミドという成分は皮膚の中の水分量を増やしてくれるためおすすめです。

スプレータイプのものやクリーム、ローションなど色々なものがありますので、使いやすく続けやすいものを選びましょう。
ただしあまりベタベタするものは汚れの原因となりますので避けた方が良いでしょう。

当院でもいくつかおすすめの保湿剤を置いていますので、気になる方はご相談ください。

皮膚のかゆみはストレスになり、生活の質を著しく低下させます。

シャンプー後にフケやかゆみが出たり、繰り返す皮膚炎などにお悩みの方は早めにご来院ください。

余談になりますが、うちの息子は生後3ヶ月頃から乳児湿疹が酷く、毎日の保湿が欠かせません。
アトピーかな、、、?とも思ったくらいでしたが、皮膚科通いと保湿の成果か今ではたまに湿疹が出るくらいです。

人間の赤ちゃんでは「毎日しっかり保湿をおこなった新生児はアトピー性皮膚炎になりにくい」という研究結果が出ています。
そのぐらい保湿は重要だということですね。

皆さんもぜひ日々のスキンケアに取り入れてみてください。

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