コラム
COLUMN
2025.08.04 動物の病気 看護師コラム
SFTSについて
こんにちは。動物ケアスタッフの佐々木です🐶
当院で働き始めてあっという間に4ヶ月が経ちました!優しい先生方や先輩方に支えられながら、毎日が新しい学びの連続で、充実した日々を過ごしています。
だんだんと暑くなってきましたね💦 わんちゃん、ねこちゃんも熱中症にならないように気をつけましょう!
さて、今回はマダニが媒介する恐ろしい病気である「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)」についてお話しします。
SFTSとは
SFTSは、マダニが媒介するウイルス性の感染症で、人だけでなく犬や猫にも感染する人獣共通感染症です。ウイルスを持ったマダニに咬まれることで感染しますが、SFTSを発症した動物の血液や体液に触れることで感染する事例も報告されています。SFTS感染疑いの野良猫に咬まれた保健所職員が感染した事例や、最近では感染した猫の治療に従事した獣医師がSFTSを発症して死亡したことがニュースとなりました。
人では全国で毎年100件を超える発症例が報告されており、年々増加しています。致死率が30%と非常に高い、恐ろしい病気です。
発生状況
SFTS感染猫の報告は全国で調査を始めた2017年は8件でしたが、2024年には194件と大幅に増加しています。主に西日本で報告されていましたが、年々北上しており、福井でも1件報告されています。
主な症状
犬や猫が感染した場合、元気消失、食欲低下、発熱(39℃以上)、嘔吐・下痢、黄疸、血小板減少による皮下出血や下血などの出血症状などがみられます。特に猫は重症化しやすく、致死率は60%と非常に高いことがわかっています。犬でも致死率は40%と報告されています。
治療
現在、SFTSウイルスに対する特効薬やワクチンは存在しないため、感染しないようにマダニ予防を徹底することが大切です。
もし感染してしまった場合は、早期の診断と重症化の予防が重要です。点滴による体液補正、制吐剤などの対処療法、抗ウイルス剤の投与、二次感染予防を目的とした抗菌剤の投与などを行います。
予防
犬・猫ともにマダニ予防を欠かさず行いましょう。
マダニは草むらや森林、畑、公園など自然が多い場所に生息しています。特にこれからの暖かい季節で活動が活発になりますが、冬でも活動しているため油断してはいけません。マダニ予防をしていても、犬のお散歩中はできるだけ草むらや藪の中には入らないようにしましょう。
前述の通り、猫はSFTSに感染すると致死的です。マダニ予防をした上で、屋外に出ないようにしましょう。
また、飼い主様自身も野良猫や野生動物との接触は避けましょう。ぐったりしている野良猫には安易に近づかないよう気を付けてください。
わんちゃんのマダニ駆除薬は月に1回飲むお薬、月に1回滴下するスポット剤、3ヶ月に1回滴下するスポット剤などがあります。
猫ちゃんでは3ヶ月に1回滴下するスポット剤があります。
マダニ予防についてご不明な点がある場合はお問合せください。
SFTSは命に関わる重大な病気です。大切な家族である愛犬・愛猫、そして飼い主様自身を守るためにマダニ予防をしましょう!
予防は一年を通して続けることをお勧めしています。
ご不安やご質問があればお気軽にご相談くださいね😊